SHARE:

賃貸でウォールパネルを使う方法|壁に穴を開けない固定の手順

賃貸でウォールパネルを使う方法|壁に穴を開けない固定の手順

壁用の両面テープの注意書きには、たいてい「壁紙には使用しないでください」と書かれています。

賃貸でウォールパネルを飾るなら、この一行が出発点です。

パネルをクロスへ直接留めるのではなく、幅の広いマスキングテープを下地として先に貼り、その上に両面テープを重ねる二重構造にします。

国土交通省の原状回復ガイドラインではクロスの価値は6年で残存1円まで下がる扱いですが、下地のボードの紙まで破れれば話は別で、補修の対象が広がります。

本記事では、テープを挟む貼り方の手順・直貼りで起きる剥がれ・下地別の可否と点検のタイミングを解説します。

壁デコ.com編集部

「壁デコ.com」は、賃貸でも楽しめるウォールステッカー・壁装飾のアイデアを発信するメディアです。子供部屋や身長計、おしゃれな北欧デザインから、きれいな貼り方・剥がし方、原状回復のコツまで、部屋別・用途別の最適解を編集部が検証してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

賃貸のウォールパネルは、クロスに直接留めない

基本の考え方は、パネルとクロスの間に「犠牲になる層」を1枚入れることです。

剥がすときに離れてほしい面をマスキングテープと壁紙の境目に作っておけば、力の逃げ場ができます。

逆に強力な両面テープをクロスへ直付けすると、離れてほしくない場所、つまり壁紙の表面で剥離が起きます。

幅の広いマスキングテープを下地に貼る

和紙タイプのマスキングテープを、パネルの裏に来る位置へ貼ります。

幅は両面テープよりひとまわり広いものを選んでください。

両面テープの縁がマスキングテープからはみ出すと、そのはみ出した数ミリだけがクロスに直付けされ、剥がすときにそこから裂けます。

養生テープは糊が残りやすく、長期間貼ったままにする用途には向きません。

両面テープはパネルの重さから決める

軽い発泡樹脂系のパネルなら一般的な屋内用で足りますが、MDFに化粧シートを貼った板や石目調のパネルは重量が増えるので、テープの本数を増やして荷重を分散させます。

それでも重さに不安が残るものは、マスキングテープを挟む方法自体が限界です。

重量のあるパネルの下地と耐荷重の考え方は石目のウォールパネルの選び方で解説しています。

上端で仮留めし、水平を見てから圧着する

いきなり全面を押さえると、傾いていても直せません。

上端の1〜2か所だけを軽く留めて水平器で見て、そこから下へ手のひらで空気を追い出すように押していきます。

圧着は「触った」程度では足りず、テープの厚みがつぶれるまで面で押してください。

柄のあるパネルは、この段階で隣との柄合わせも確認します。

柄をまたぐ切り欠きの取り方は3Dウォールパネルの貼り方で解説しています。

なお、火災警報器・コンセント・スイッチ・換気口の上にはパネルをかぶせないでください。塞げば本来の役目を果たせなくなりますし、点検のたびに剥がすことになります。

ウォールパネルを直貼りすると、壁紙の表面が持っていかれる

ビニールクロスは、塩化ビニールの薄い層と紙の裏打ちを貼り合わせた構造です。

強粘着のテープを直接貼って引き剥がすと、この2層の間か、クロスと石膏ボードの間で分離します。

前者なら壁紙の表面が白くめくれ、後者ならボードの表面紙ごと破れて、下の石膏がのぞきます。

負担の大きさもこの2つで変わります。

クロスの張り替えで済むケースと、ボードのパテ処理や部分張りが必要になるケースでは、作業の範囲が違ってきます。

原状回復ガイドラインの考え方では入居年数に応じて借主の負担割合は下がっていく扱いなので、全額請求されると決まっているわけではありません。

ただし、下地を傷めた場合は経年の減価とは別に扱われることがあるため、まずボードまで届かせないのが現実的な守り方です。

もう一段こわいのが、貼ったまま数年放置したときです。

テープの糊は時間とともに硬化し、被着面へ移りやすくなります。

剥がせるつもりで貼っても、放置期間が長いほど、剥がすときのクロスへの負担は大きくなります。

よくある失敗と、その場でできる直し方

角から浮いてくる

ほとんどは接着面積の不足か、圧着が甘かったことが原因です。

エンボス(表面の凹凸)が深いクロスでは、テープが凸部の頂点だけに触れていて、見た目の面積ほど接着していません。

浮いた角にテープを足して押さえ直すか、浮きが繰り返すなら、その壁は貼り付けに向いていないと判断してください。

剥がしたら糊が残った

マスキングテープの糊がクロスに残った場合は、こすらずに指の腹で転がすように集めると取れることがあります。

溶剤や消しゴムでこすると、クロスの柄や艶が変わって、糊よりも目立つ跡になります。

取り切れないぶんは無理をせず、そのまま残す判断も必要です。

継ぎ目に隙間ができた

パネルは温度と湿度で伸縮します。

突き付けでぴったり合わせると、伸びたときに片方が押し上げられて浮きます。

木質系のパネルは特に動くので、あえて糸のような隙間を残すか、目地を見せるデザインとして並べたほうが破綻しません。

素材ごとの動きやすさはウッドウォールパネルの無垢と化粧板の違いで解説しています。

貼ってすぐ落ちた

粘着剤は低温で硬くなり、初期の食いつきが落ちます。

冬の外壁側の部屋や、暖房を入れていない部屋で作業すると、押さえた直後は付いていても数時間で落ちます。

壁のほこりや手の脂も同じ結果になるので、乾いた布でひと拭きしてから貼ってください。

用意する道具と、代用が利くもの

道具役目代用
幅広マスキングテープ(和紙)クロスを守る下地層代用不可。養生テープは糊残りが出ます
両面テープパネルの固定代用不可。屋内用の厚みのあるタイプが扱いやすい
メジャー・鉛筆割り付けの印付け
カッター(替刃多め)パネルの切断厚手のパネルは金切鋸や小型のこ
水平器1枚目の基準出しスマートフォンの水準器アプリ
押さえ用のヘラ面での圧着厚紙を当てた手のひら、プラスチック定規

必須は上2つと計測用具だけで、残りは家にあるもので足ります。

逆に、テープの選択だけは代用しないでください。

ここを兼用の粘着剤で済ませた結果が、そのまま退去時の負担につながります。

買う前に素材と厚みの組み合わせを決めておきたい場合は、ウォールパネルの選び方で素材別の施工方法を解説しています。

賃貸で貼ったあとの点検と、剥がすタイミング

貼って終わりにせず、半年から1年に一度は端を見てください。

見るのは角の浮き、パネルのそり、テープのはみ出しの3か所です。

梅雨明けと暖房を切った春先は湿度が大きく動くので、点検の時期を合わせると変化に気づきやすくなります。

剥がすときは、退去の直前にまとめて作業しないほうが安全です。

剥がしてみて糊が残ったりクロスが荒れたりした場合、そこから対応を考える時間が要ります。

引っ越しの荷造りと同時進行では、その余裕がありません。

剥がす順番はパネルを先、マスキングテープを後にして、テープはできるだけ壁と平行に、ゆっくり引きます。

角度をつけて手前に引くと、クロスを引っぱる力に変わります。

下地で変わるウォールパネルの貼り方

同じ手順が通るのは、平らなビニールクロスの上だけです。下地が変われば、下ごしらえから可否まで変わります。

下地可否と下ごしらえ
平らなビニールクロスマスキングテープを挟む方法が使えます。ほこりを拭いて乾かしてから
エンボスの深いクロス接着が点になります。テープの本数を増やしても浮きやすい
砂壁・繊維壁・土壁直貼りは避けてください。表面の粒ごと剥がれます
塗装面塗膜ごと剥がれることがあります。目立たない場所で試してから
木部(柱・幅木)ワックスや塗油が塗られていると付きません。乾拭きしてから小面積で試す
タイル・目地目地の凹みで接着が切れます。水回りは湿気で早く落ちます

砂壁や繊維壁のように、そのままでは貼れない壁もあります。

この場合は壁に触らず、床と天井で突っ張る2×4材のアジャスターで柱を立て、その柱にパネルを留める方法があります。

天井側の下地が弱い位置では突っ張り自体が危ないので、荷重のかかる位置は選んでください。

なお、パネルを壁一面に貼っても隣室への音漏れは止まりません。

反響と遮音の違いは吸音・防音のウォールパネルの効果と限界で解説しています。

よくある質問

賃貸でも跡が残らずに剥がせますか

下地との組み合わせで決まるため、残らないとは言えません。

平らなビニールクロスにマスキングテープを挟んで短期間で剥がした場合は跡が残りにくい

一方、砂壁や古くなったクロス、粉を吹いた塗装面では表面ごと剥がれます。

まず家具の裏など目立たない場所に10cmほどテープを貼り、数日後に剥がして様子を見てください。

ホチキスや画鋲で留めてもいいですか

石膏ボードの壁なら画鋲やピンフックの穴は通常の使用による損耗として扱われることが多く、テープよりクロスへの負担は小さくなります。ただし判断は契約内容や管理会社の運用によって変わるので、迷う場合は入居時の契約書を確認してください。

キッチンのコンロ周りに貼れますか

直火が当たる位置への施工は勧められません。

防水をうたう製品でも耐熱を意味しないため、コンロの真横は避けてください。

水はねだけを気にする範囲なら、耐熱の表示があるかどうかを個別に確認してから選びます。

マスキングテープを挟むと厚みで浮きませんか

和紙タイプは薄いので、パネル側の厚みに比べて影響はほとんどありません。

むしろ問題になるのは、テープを短く切って点々と貼った場合です。

パネルの外周に沿って線で貼り、両面テープがその内側に収まるようにすると、縁の浮きが出にくくなります。

売り場で買ってすぐ貼れますか

パネル自体は開封してすぐ貼れますが、テープ類が同梱されていない製品もあります。取扱いは店舗や時期で変わるので、売り場での確認事項はホームセンターでの取扱いと売り場で解説しています。

まとめ

賃貸でのウォールパネルは、壁に何を貼るかより、壁と接する面をどう作るかで結果が変わります。

幅広のマスキングテープを下地に挟み、両面テープをその内側に収め、上端で水平を出してから面で圧着します。

この流れを守れば、剥がすときに離れてほしい場所で分かれてくれます。

そのうえで、下地が砂壁や繊維壁なら貼らない判断も選択肢に入りますし、重いパネルなら突っ張り柱で壁から独立させる手もあります。ぜひ本記事の下地別の可否表と点検のタイミングを参考に、退去のときまで含めた段取りで貼り進めてください。

あなたへのおすすめ